東アジア環境教育共同研究プログラム
招聘研究者

元 鍾彬 / won jongbin

経歴
1998 年全羅北道全州大学(国語文学)卒業
2003 年栃木県那須大学(都市経済学)卒業
2005 年東京農工大学大学院にて環境教育学学術修士取得
2009 年東京農工大学大学院にて環境教育学農学博士取得
2009 年~東京農工大学大学院特別研究員、韓国環境教育研究所の研究員

研究テーマ
読み手の年齢差に応じた表現の類型

1.研究目的 2009年の共同研究では、日韓の環境教育の流れについて検討を行った。
また学校や地域の中で行われている実践活動に参加しながら
日韓の環境教育活動の差について比較検討を行ってきた。

日本の環境教育の実践活動では、学校と地域のつながりを重視し、
地域のボランティアやNPOと連携しながら教科内容と結びつけている例は少なくない。


しかし、地域と学校を結ぶコーディネーターや教師の力量によって環境教育は左右される。

韓国では、日本には取り入れていない学校教科課程に「環境」科目が独立教科として存在し、
その中で環境教育が行われている。

「環境」教科を指導するための、
全国5つの教育大学の環境教育学科で専門教師を養成しているが、
現実では学校の中で環境教育教師採用がほとんど行われていないため、
環境教育を専攻とする学生は副専攻を取ることで別の進路に進んでいる。

日韓両国とも環境教育を担当する教師不足と、
環境教育を行うための時間数が懸念されている。

環境教育を活性化するためには、その時間数の確保と力量ある教師の確保は大変重要である。

本研究では、こうした日韓の環境教育の教員研修や地域社会との連携などを視野に入れ、
現在の学校教育での環境教育を活性化させるために、
教員養成制度の課題と教師の力量について明らかにする。

2.研究方法
  • 日韓の学校教育における環境教育の実態と課題について資料・文献を検討する。
  • 地域のコーディネーター(NPO)と学校の連携についての現状と実態を把握するため、
    いくつかのモデルを選定し、聞き取り調査や参与観察方法で調査・分析する。
  • 韓国で検討中の1校1環境教師制度について検討する。
  • 環境教育に関する教員養成プログラム・制度に関して日韓比較を行い、
    地域のNPOなどが行っている環境教育指導者プログラムとの比較分析をする。
3.研究成果
昨年の共同研究は、環境教育に関する情報交換の機会と共に
学術大会で比較研究の結果を発表した。
また、比較研究を基に現在日本環境教育学会では、
学校教育の中で「環境教育」の教科を取り入れようとする試みが検討されている。
この度の日韓共同研究で、両国の学校教育の中での環境教育の制度やカリキュラム、
教員養成制度などの課題を明らかにすることによって、
両国の独立した「環境教育」の活性化に有効な示唆点を与えると期待できる。